長男「昭二にすぐ来るように言ってくれ」
2歳年下の弟昭二は1滴もお酒を飲みません。
小さいころから性格的にも正反対で、
長男は一浪の末一流大学を出て、就職氷河期の中、自分で会社を決め勤続18年のサラリーマンに。
かたや弟は高卒で定職につかないフリーター。この4月には2年間のプチ家出?
から帰ってきたばかりで失業中でした。長男がその弟に会いたいと言い出しました。
「昭二は失業中だから自由に来れるけどお金がないよ」というと、
「5万円やる、10万円やる、養ったる!」
「昭二がきたら一緒に海遊館に行きたい」というので調べてみると、コロナ自粛の入場制限でネット予約のみという事でしたので早速予約をしようとすると・・・
長男「コロナでやっていないよ。予約はしなくていい。」
私「えっ?ホームページ見たらネット予約だけでやってるよ。」
これが最初にびっくりした変な言い訳とひるがえしでした。
そして弟が来る日のこと。
「(電車で3駅の)新大阪駅まで迎えに行く」と言っていたのが新幹線の到着時間が迫ってくると、
「38男が御浜町駅(マンションから歩いて5分)まで一人で来れるかどうか試す。来れたら5万円やる」と言い出しました。変な言い訳とひるがえしでした。
次男としてはなんで呼ばれたのか、なんでお迎えの場所が変わったのかはこの時点ではよくわかっていなかったと思います。
言ったことをすぐ翻したり、約束や時間を決める予約ができなくなると言う事・・・
すべてのアルコール依存症者がそうなのかどうかわかりませんが、症状としては検索しても出てこないし最初は本当に驚きましたし、戸惑いました。
海遊館に行きたいと言うのも本音だけれど、次の瞬間「めんどくさい、部屋でお酒を飲んでいたい」という脳になってしまう。
新幹線が着く時間に新大阪に弟を迎えに行きたかったのも本音だけれど、時間になったら「遠くまで行くのがめんどくさい、部屋でお酒を飲んでいたい」という脳が体を動かなくさせてしまう・・・
(入院中、頭がはっきりした時に聞いたところ、どちらも本音だと言っていました。)
下戸の弟との同居は、きっといい方向に向いていくと思っていました。
優一、あんた「養ったる」って言ったじゃん。
昭二もお母さんもほんとにその気でいたんだよ。
それからはどんどん「言ったことをすぐ翻す」「約束・予約・説得が通じなくなる」「ドタキャン」「異常行動」・・・「社会的生活ができなくなる」状態になっていきました。
身なりをかまわなくなり、できるだけ楽な恰好をする。つっかけサンダルしかはかない。腰痛なのでマジックテープで固定するサンダルを買って持って行っても、それをつっかけてはくのでめちゃくちゃ・・・やめました。
私にも弟にも気を使わなくなっていったので、もう一緒に買い物、食事に行くものしなくなりました。